「食事がしにくいと思っていたら歯がグラグラしている」
「歯を磨いているときに歯がグラグラしていた」
など、歯がグラグラと動いている方は、重度の歯周病にかかっている可能性があります。
歯周病は、進行すると歯を支えている「歯槽骨」といわれる骨が溶けてしまい、歯がしっかりと固定されなくなります。
進行すると、歯がグラグラするようになり、日常の食事や会話にも支障をきたすこともあります。
歯周病は、日本人が歯を失う一番の原因です。
歯周病で歯がグラグラするような状態がみられる場合、動き方の度合いによっては抜歯が必要になるケースがあります。
今回は、歯がグラグラするような重度の歯周病でも歯が残せるのか、また、残せる場合に行われる「歯周外科治療」とはどのような治療なのかを説明します。
奥村 礼二郎 院長
経歴2004年3月
東京歯科大学卒業
2004年4月
東京歯科大学院歯学研究科入学
2008年3月
東京歯科大学院歯学研究科卒業
2009年4月
大阪府下の歯科医院にて勤務
2016年5月
すみのえ駅前歯科開業
Melbourne ITI Education Week2022 参加
医院名：すみのえ駅前歯科
所在地： 〒 559-0005
大阪市住之江区西住之江１丁目１−３１N.KLASS住ノ江１階
Contents
重度の歯周病でも歯を残せる可能性がある
歯がグラグラするような重度の歯周病でも、適切な治療を行うことで、歯を残せる可能性があります。
歯周病は段階を踏んで進行します。
重度の歯周病では、「歯周外科治療」といわれる外科的な治療が行われることが一般的です。
「歯周外科治療」にはさまざまな種類があり、歯周病の段階や患者さまのお口に適した治療を行うことで、重度の歯周病でも歯を残せるケースがあるのです。
歯周病とは
歯周病とは、細菌による感染で歯ぐきに炎症を起こし、やがて歯槽骨などの歯周組織が破壊される病気です。
進行すると歯を支える骨が失われ、最終的に歯が抜け落ちることもあります。
歯周病は、初期段階では自覚症状が少ないため気づかれにくく、症状が進行してから初めて気づく方も少なくありません。
歯周病の原因は、「歯垢（プラーク）」といわれる細菌のかたまりです。
歯の表面に形成されるネバネバとした粘着性のある白っぽい物質で、歯垢の中には多くの細菌が含まれています。
歯垢はやがて硬い「歯石」に変化します。
歯石とは、歯垢が唾液中のカルシウムやリンなどと結びついて石灰化し、固まったものです。
歯石が歯の表面や歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットに溜まることで、歯ぐきの腫れや出血を引き起こします。
歯垢は歯磨きなどのケアで除去できますが、歯石は通常の歯磨きでは取り除くことができません。
歯科で行われる専門のクリーニングが必要になるのです。
放置すると歯石はどんどん増殖し、歯周病をさらに悪化させる原因になります。
歯周病の進行と症状
「歯周病」という言葉とともに、「歯肉炎」「歯周炎」という言葉を聞いたことはありませんか。
歯周病は大きく分けて2つの進行段階に分けられます。
それが「歯肉炎」と「歯周炎」です。
「歯肉炎」は、炎症が歯ぐきのみに限られている段階です。
対して「歯周炎」は、歯ぐきだけでなく、歯を支える骨や歯周組織にも炎症がおよんでいる状態のことをいいます。
歯肉炎
「歯肉炎」とは、歯周病の初期段階で、歯ぐきに軽度の炎症が起こっている状態です。
・歯ぐきが赤く腫れる
・歯磨きの際に出血する
といった症状があらわれます。
歯周ポケットの深さは、2～3mm程度です。
歯肉炎の段階で治療を開始すれば、お口のケア方法の改善や歯科でのメンテナンスなどで、元の健康な歯ぐきの状態に戻すことが可能です。
初期の歯周病
初期の歯周炎では、
・歯ぐきが赤く腫れる
・歯磨きの際に出血する
・口臭が気になる
・朝起きたときにお口の中がネバネバする
・歯槽骨が若干溶けてくる
などの症状がみられます。
骨が溶けることで、歯周ポケットの深さが4～5mmと徐々に深くなってきます。
この段階の歯周病では、プラークの量を減らすようにコントロールすることで、歯周病の悪化を防ぐことが可能です。
中期の歯周病
歯槽骨がさらに溶け、歯が少しグラグラするようになります。
・歯周ポケットが深くなり、歯がグラグラうしてくる
・歯ぐきから出血したり膿が出たりする
・口臭が悪化する
・歯と歯のあいだにすき間が開く
などの症状がみられます。
歯周ポケットの深さは4～6mmですが、痛みなどの自覚症状はまだほとんど感じない方が多い段階です。
中程度では、歯ぐきの炎症が歯槽骨や歯周組織にまで進行しているため、歯周ポケット内の歯垢や歯石を除去する歯周外科治療が行われる場合があります。
重度の歯周炎
大きく骨が失われ、しっかりと噛むことが困難です。
歯を失うことのないよう、早めに治療を行う必要があります。
・歯がぐらついてしっかり噛めなくなる
・歯ぐきが下がる
・歯が長く見える
といった症状がみられます。
歯周ポケットの深さは6mm以上で、歯槽骨の大部分が溶けてしまっている状態です。
ここまで進行すると、ほとんどの場合で歯周外科治療が行われます。
また、お口の症状によっては、抜歯を選択せざるを得ない場合もあります。
歯周病の治療法
歯周病の治療では、進行の程度にかかわらず、まず「歯周基本治療」が行われます。
歯周基本治療で歯周組織が改善され、歯周ポケットの深さが改善されれば、メンテナンスに移行しますが、症状に変化が乏しければ、次のステップに進みます。
歯周基本治療
歯周基本治療では、「スケーラー」といわれる専門器具を使って、歯垢や歯石を徹底的に除去すると同時に、プラークをできるだけお口の中から減らすブラッシング方法を指導します。
重度の歯周病の治療法
歯周基本治療を行っても症状が改善しない場合、歯周外科治療を行います。
歯周外科治療にはさまざまな種類があり、患者さまのお口の状態やご希望・ライフスタイルに応じて選択します。
外科的な治療「歯周外科治療」
歯周外科治療とは、重度の歯周病に対する外科的なアプローチです。
通常の歯垢・歯石除去や歯周ポケットの清掃だけでは改善しない場合に行われます。
当院では、歯ぐきを切開して汚れを直接見ながら除去する「フラップ手術」と、破壊された歯ぐきや歯槽骨を再生する「歯周組織再生治療」を行っています。
フラップ手術
フラップ手術とは、歯肉剥離掻爬術（しにくはくりそうはじゅつ）ともいわれます。
歯周ポケットが深く、歯垢や歯石を完全に除去できないような場合に、麻酔をして歯ぐきを一時的に切開し、歯の根の部分や歯周ポケット内の汚れ・歯石を除去する手術です。
除去した後は、歯ぐきを元の位置に戻して縫合します。
実際に患部を見ながら処置ができるので、汚れや歯石を徹底的に取り除くことが可能です。
歯周組織再生治療
歯周組織再生とは、歯周病で失った骨の再生を促す治療法です。
特殊な薬剤を用いて骨が再生しやすい環境を整え、歯を支える骨を回復させます。
リグロスによる再生治療
リグロスとは、厚生労働省に承認された歯周再生療法の薬剤のひとつで、保険診療が適応される治療方法です。
組織の再生を促す物質が含まれており、これにより歯周病で失われた歯槽骨などの歯周組織の再生を促すことができます。
外科的に歯周ポケットを開いた状態で、損傷した歯周組織や歯槽骨の部位に塗布することで、リグロスに含まれる骨形成因子が歯周組織の再生を促進するのです。
歯周病予防の3つのポイント
歯周外科治療は、重度の歯周病に対する最後の手段ですが、全てのケースで歯を残せるわけではありません。
歯を残すためには、日頃の丁寧なケアが重要です。
歯周病を予防するための3つのポイントを紹介します。
適切なブラッシング習慣
歯周病予防の基本は、ご自身で行っていただく毎日のケアです。
歯ブラシだけではなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどのデンタルグッズなどを上手に活用することが大切です。
当院では、患者さまのお口の状態に合わせたケアプランをご提案いたします。
ケア方法をわかりやすく説明しますので、どのようなことでもお尋ねください。
生活習慣の改善
むし歯や歯周病にかかりにくい健康なお口の環境を作るために、生活習慣を改善するためのアドバイスを行っています。
・決まった時間に食事をとる
・食後の歯磨きを徹底する
・間食や甘いものを控える
などに気をつけるようにしましょう。
定期的な歯科検診
歯周病は、進行する前に早めに治療を始めることが大切です。
自覚症状が少ないといわれる歯周病ですが、歯科での定期的な検診を受けることで、初期症状を見つけることができます。
早期に治療を始められると、少ない負担で治療を行える可能性があります。
治療期間も短く済むため、お口に何も症状がなくても、定期的な歯科検診を継続するようにしましょう。
重度の歯周病も「すみのえ駅前歯科」まで～しっかり噛めるお口を維持するために～
南海本線「住ノ江駅」ビル直結の歯医者【すみのえ駅前歯科】では、 歯がグラグラするほどの重度の歯周病でも、歯周外科治療で歯を残せる可能性があります。
進行した歯周病にお悩みの方は、当院までご相談ください。
当院では、治療に対して不安を感じている方には「笑気吸入鎮静機器」を使った治療も行っており、精神的にも身体的にもリラックスした状態で治療を行うことが可能です。
早期の治療と毎日のお口のケアが、健康な歯を守ることにつながります。
歯周外科治療の後も定期的なメンテナンスを行っていますので、歯周病が再発しないように一緒にお口のケアに取り組みましょう。
