根管治療はどうして何度も通院するの?治療回数が多い3つの理由

むし歯 根管治療

根管治療は、むし歯が悪化して歯の根っこにある神経まで感染が広がった際に行う治療です。
歯の内部から細菌に汚染された神経を完全に取り除き、再び感染しないようにしっかりと封鎖するために行われます。

 

根管治療は難易度の高い治療といわれている上に、1回では終わらないことがほとんどで、複数回の通院が必要です。
では、なぜ根管治療は治療回数が多くなりがちなのでしょうか?
ここでは、根管治療が複数回にわたる3つの主な理由を説明します。


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院長

奥村 礼二郎 院長

経歴
2004年3月
東京歯科大学卒業
2004年4月
東京歯科大学院歯学研究科入学
2008年3月
東京歯科大学院歯学研究科卒業
2009年4月
大阪府下の歯科医院にて勤務
2016年5月
すみのえ駅前歯科開業
Melbourne ITI Education Week2022 参加

医院名:すみのえ駅前歯科
所在地: 〒 559-0005
大阪市住之江区西住之江1丁目1−31N.KLASS住ノ江1階



 

治療回数が多い3つの理由


根管治療が1回の治療で完了しない理由は、治療の各段階で細かい処置が必要になるからです。
根管治療は、「根管内にいる細菌をできるだけ除去・消毒すること」「新たに根管内に細菌を侵入させないこと」が重要であるとされています。
再発リスクをできるだけ抑えるためにも、すべての手順を丁寧に行うことが大切なのです。

 

【理由1】感染源を徹底的に除去する必要があるから

根管治療の第一の目的は、歯根の内部にある感染源を徹底的に除去することにあります。
けれども、歯の根は非常に細く、枝分かれしている場合もあり、すみずみまで感染を除去するには、複数回の処置が必要になることが多いのです。

 

特に、奥歯は根管が複雑な形状をしていたり、根管が複数存在することもあったりするため、1回の治療ですべての感染源を除去することは困難です。
そのため、数回にわたって清掃・消毒を行うことになります。

 

【理由2】注入した薬剤の効果を待つ時間が必要だから

感染した歯の内部を的確に除菌するため、根管内に薬剤を注入して細菌を死滅させます。
薬剤が効果を発揮するためには、数日から1週間程度の時間がかかります。
薬剤を注入したら仮蓋をして効果があらわれるのを待ち、再度治療を受け、必要に応じて薬を入れ替えたり、感染の具合を確認したりするために複数回の通院が必要なのです。
この待機期間は、治療の成功率を高め、再感染を防ぐための重要なプロセスです。

 

【理由3】詰め物や被せ物の型取りが必要だから

根管治療が終わった後も、歯を保護するために詰め物や被せ物を装着する処置を行います。
これは、歯の機能を回復させ、再感染を防ぐための治療です。

 

この最終的な修復物を製作する治療には、歯の型を取るための時間が必要で、さらに1~2回の通院が必要となります。
詰め物や被せ物の精度が高いほど、治療後のトラブルが少なくなり、歯を長持ちさせることにつながります。

 

 

根管治療とはどういう治療?

ここで、改めて根管治療とはどういった治療なのかを説明します。

 

むし歯が進行して、歯の内部にある神経まで感染した場合に行われるのが根管治療です。
ここまで悪化すると、「ズキズキと痛い」「噛んだり触れたりするだけで痛みを感じる」「歯ぐきやその周りが腫れる」などの症状があらわれることがあります。
根管治療は、むし歯が神経や歯の根の奥深くにまで達した際に、歯を抜かずに保存するための治療方法です。

 

2017年(平成29年度)に行われた患者調査によると、歯科治療のうち約18%が根管治療を行っており、多くの方が根管治療を経験されていることがわかります。


参照:厚生労働省ヘルスネット「歯の神経の治療(根管治療)」 >

 

根管治療の目的は「歯を残すこと」


根管治療は、悪化したむし歯でも抜歯することなく、しっかり噛める歯を残すことを目的とした治療です。

 

治療では、歯の内部にある「根管」という細い管をきれいにして、痛みの原因となっている細菌や汚染された神経・血管などの組織を取り除きます。
進行したむし歯によって神経に感染がおよぶと、通常のむし歯治療では症状を改善するのが難しくなります。
そのため、歯を抜かずに歯の機能を保つことを目的に、根管内部を丁寧に清掃・消毒し、再感染を防ぐ薬を充填するのが根管治療の役割です。

 

根管治療にかかる回数と期間


根管治療は、感染がしっかり取り除かれるまで複数回にわたることが多く、歯の状態や治療の進行度によって異なりますが、一般的に2~4回程度の通院が必要です。
感染の状態や歯の構造により回数が増えることもありますが、無理なく治療を進めていくことが大切です。

 

また、治療に通院できる頻度やお口の状態にもよりますが、一般的に治療期間は、1ヶ月から2ヶ月程度かかります。
治療の間に1〜2週間ほどの間隔をあけて、薬が作用する時間や歯の経過を観察する期間が必要だからです。
感染が重度の場合や、治療経過を慎重に観察する場合は、さらに長い期間がかかることもあります。

 

根管治療の流れ

当院の根管治療は、一般的に次の手順で進められます。

 

カウンセリングや検査・診断


根管治療のカウンセリングでは、患者さまの不安を軽減できるように、治療内容を丁寧に説明し、治療の回数や通院期間の目安もお話しします。
お仕事やご家庭などでお忙しい方も最後まで治療に通えるよう、スケジュールに関するご相談にもお応えしますので、どのようなことでもお話しください。

 

当院では、患部を3Dの立体画像で撮影できる「歯科用CT」で、歯の根の状態や神経や血管の位置を事前にしっかり把握し、適切な治療計画をご提案いたします。

 

歯の神経を除去

根管内部の治療を行うために、感染した部分を神経が見えるまで削り、根管内の神経や血管などを取り除く治療が行われます。
多くの場合、歯の神経が取り除かれると、痛みの根本原因が取り除かれるため、痛みが和らぐ方が多くいらっしゃいます。

 

けれども、ここで通院をやめてしまうと、

・細菌が完全に除去できていないので、炎症が進んで痛みや腫れが再発する
・神経が除去された歯は通常よりも脆く、ひび割れや破損が起こる
・根管内に新たな細菌が増殖し、再治療がより複雑で難しくなる
・仮蓋で閉じているだけなので、外れやすく、細菌が侵入しやすい

などのリスクが高くなります。

 

痛みが取れたからといって治っているわけではありません。
治療を最後まで完了させることが、歯の健康のために非常に重要です。
次の予約日をご案内しますので、忘れずにご来院ください。

 

根管内部の清掃・消毒


根管内に残った細菌や汚れを取り除くため、「ファイル」といわれる専用の器具で丁寧に清掃します。
この段階の治療は、汚染された神経を取り残さないように、何回かにわけて行われます。
その後、再感染を防ぐために、薬剤で根管内を消毒する処置を行います。

 

薬剤を根管に充填

清掃・消毒が終わったら、細菌の再侵入を防ぐために、根管内の形状を整えて根管内に薬剤を充填させます。
できるだけ無菌に近い状態にすることが、治療後の歯を長期間、健康に保つポイントになります。

 

被せ物を装着する


最後に、歯の表面を修復して被せ物を装着し、歯の機能を回復させます。
保険診療では、銀歯を使用することもありますが、当院では、自由診療で選択できる「ジルコニアクラウン」や「e-max」などもご用意しています。
これらの素材は、金属を使用していないため、金属アレルギーを発症させる心配がいりません。
また、経年劣化が少ないので、歯との間にすき間ができにくく、細菌が侵入しにくいため、むし歯の再発を軽減することが可能です。

 

・ジルコニア
透明感は少ないものの、美しい白さが特徴です。
強度が高く、力がかかる奥歯の使用に適しています。

 

・e-max
美しさや耐久性に優れた歯科用のセラミック素材です。
天然の歯に近い色合いや透明感を持ち、前歯から奥歯まで幅広く適用されています。

 

 

根管治療の後に気をつけたいこと

治療が終わっても、再感染のリスクを軽減するために次の点に注意しましょう。

 

歯磨きの徹底


お口のケアの基本は、毎日の歯磨きです。
患者さまのお口に合わせた歯磨き方法をアドバイスしますので、毎日のケアに取り入れるようにしてください。

 

また、しっかり歯を磨いていても、歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは十分に除去することはできず、落とせる汚れは6割程度といわれています。
デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、除去率は8割以上に高まる効果が期待できます。
これらのデンタルグッズの選び方や使い方もお伝えしますので、どのようなことでもお尋ねください。


参考:神奈川県「今日から始めるすき間ケア~毎日のむし歯・歯周病対策~ 歯間部のプラーク除去効果」より >

 

定期検診に通う

治療が終わっても、引き続き継続して定期検診にお越しください。
ご自身で行う「セルフケア」にプラスして、歯科医院で行う「プロケア」も併用することで、清潔なお口の状態をできるだけキープすることが可能です。
定期検診によるメンテナンスでは、磨き残した汚れを徹底的に取り除くクリーニングを行っています。
健康な歯を維持できるように丁寧に診察を行いますので、定期的にご来院ください。

 

 

根管治療は最後まで通院しましょう!悪化したむし歯は「すみのえ駅前歯科」まで


根管治療は、歯を長く健康に保つための重要な治療です。
通院回数はかかりますが、しっかりと治療することで歯の寿命を延ばし、再感染のリスクを減らすことが可能です。
歯を守るためにも、ご予約いただいたお日にちでの通院を心がけ、最後まで治療を完了させるようにしましょう。

 

大阪市住之江区の歯医者【すみのえ駅前歯科】では、患者さまが継続して治療を受けられるような環境を整えています。
南海本線「住ノ江駅」ビル直結で、駅ビル内には215台分の駐車場がありますので、電車でもお車でも通いやすい歯医者です。
24時間受け付け可能なWEB予約も導入しています。


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