大人の歯が抜ける原因とは~抜けるリスクが高い歯はどの歯?~

むし歯 歯周病

歯は、さまざまなことが原因で抜けることがあります。
年齢を重ねると歯が抜けるリスクは高まりますが、若い方でも抜けることがあるので安心はできません。
令和4年(2022年)に行われた調査によると、15~24歳で歯を失ったことがある方は5.9%、25~34歳で15%と年代が上がるにしたがってその割合も増えていき、45~54歳では40%の方が歯を失っているという結果が出ています。

 


参照:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要」p14 表12.喪失歯所有者率(永久歯:15歳以上) >

 

とはいえ、歯が抜ける原因は年代によって変わります。
「自分の年代で歯が抜けるおもな原因は何なのか」を知ることは、健康な歯を保つためにも大切です。
今回は、大人の歯が抜ける主な原因と、特に抜けるリスクが高い歯について解説します。

 



院長

奥村 礼二郎 院長

経歴
2004年3月
東京歯科大学卒業
2004年4月
東京歯科大学院歯学研究科入学
2008年3月
東京歯科大学院歯学研究科卒業
2009年4月
大阪府下の歯科医院にて勤務
2016年5月
すみのえ駅前歯科開業
Melbourne ITI Education Week2022 参加

医院名:すみのえ駅前歯科
所在地: 〒 559-0005
大阪市住之江区西住之江1丁目1−31N.KLASS住ノ江1階



 

大人の歯が抜ける3つの原因

歯が抜ける原因を年代別に見てみると、19歳までの若い世代は「矯正」や「埋伏歯」が多いという結果になっています。
大人の場合は、「むし歯」がどの年齢層でも多い傾向にあり、50歳代になると歯が抜ける一番の原因が「歯周病」になります。


参照:厚生労働省e-ヘルスネット「歯の喪失の原因」 >

 

ここからは、大人の歯が抜ける3つの原因である「歯周病」「むし歯」「破折」について説明します。

 

歯周病


すべての年代で見ると、日本人で歯が抜ける最も多い原因は歯周病です。
歯周病は歯を支える歯ぐきや骨が徐々に溶ける病気で、進行すると歯がぐらぐらになり、やがて抜け落ちることもある病気です。

 

歯周病の初期段階は「歯肉炎」といい、歯ぐきの腫れや出血が特徴です。
早期発見が重要で、早めに治療を始めることができれば、適切なケアと治療で症状を食い止めることができます。
けれども、歯周病が進行すると、外科的な治療が必要になったり、症状によっては歯が抜けたりすることもあります。

 

むし歯


むし歯になるたびに何度も治療を繰りかえしていると、徐々に歯が脆くなり、抜けることがあります。
特に、むし歯の感染が歯の根元や周囲の骨まで広がると、歯を支える組織が破壊され、歯がしっかりと固定されなくなります。
ひどい場合は自然に抜け落ちることもありますが、治療として抜歯が必要になることがあるのです。

 

ケガや事故


ケガや事故、スポーツなどで強い衝撃を受けた場合、歯が抜けることがあります。
特に前歯は、衝撃を受けやすく、折れたり抜けたりするリスクが高い歯です。
歯が折れた場合は、歯の損傷の程度に応じて、修復治療を行うこともありますが、抜歯が必要となることがあります。

 

 

抜けるリスクが高い大人の歯

歯が抜けるリスクの高い歯は、以下の4つがあります。

 

1.歯周病が進行している歯


歯周病が進行すると、歯が抜けるリスクが非常に高くなります。
歯周病が悪化すると、歯ぐきに炎症が起きて赤く腫れ、出血しやすくなります。
この炎症が長期間続くと、歯を支える歯ぐきの組織が破壊され、歯がぐらつきやすくなるのです。
その結果、歯を支える骨である「歯槽骨」が溶けて減少することで、歯がグラグラして安定せず、最終的には抜けてしまう恐れがあります。

 

2.治療していないむし歯


むし歯は、初期段階で治療されないと、歯の神経や歯の根まで侵食が進行することがあります。
むし歯が重度になると、歯自体が弱くなり、最終的には歯を抜かなければならない状態になるのです。

 

3.詰め物をしている歯


大人のむし歯として、「歯の詰め物の裏側にむし歯ができやすい」という特徴があります。
金属やプラスチックなどの材質を使った詰め物は、時間とともに劣化します。
詰め物が劣化すると、周囲にすき間ができやすくなり、そこからむし歯菌が侵入してむし歯が再発する可能性があるのです。

 

4.部分入れ歯やブリッジを支えている歯


部分入れ歯やブリッジが装着されていると、支えている歯や補綴物の周りを十分に清掃することが難しくなります。
汚れや食べかすが溜まりやすくなり、むし歯や歯周病を引き起こして歯が抜けるリスクが高くなる恐れがあるのです。
また、部分入れ歯やブリッジは、支えとなる歯に少なからず負担をかける治療法です。
失った歯を支える歯の摩耗や、ひび割れを引き起こす恐れもあります。

 

 

大人の歯が抜けることで起こる5つの問題

歯が抜けると、お口の機能や健康にさまざまな影響をおよぼします。
1本でも歯が抜けた状態を放置していると、次第に周囲の歯や全身の状態に影響が出てくる可能性があります。
歯が抜けることによって起こるおもな問題は次のとおりです。

 

【問題1】咀嚼(そしゃく)能力の低下


歯が抜けると、食べものを噛み砕く能力が低下します。
特に奥歯が抜けると、食べものを十分にすりつぶすことができなくなり、消化不良や胃腸への負担が増えることにつながります。
柔らかい食べものばかりを選ぶことによって、栄養バランスが偏る恐れもあります。

 

【問題2】歯並びの乱れ

歯が抜けると、その空いたスペースに隣の歯が少しずつ移動し始め、歯並びが乱れてくることがあります。
その結果、かみ合わせが悪くなって他の歯にも過度な負担がかかり、さらに歯が傷む原因になることも考えられます。

 

【問題3】発音が不明瞭になる

歯が抜けると、発音が不明瞭になって、言葉がはっきりしなくなることがあります。
特に、前歯は「サ行」や「タ行」の発音に関わるため、スムーズな会話がしにくくなるケースもあるのです。
人とコミュニケーションを取るのが億劫になって、人前で話すことや笑うことに抵抗を感じるようになり、外出の機会が減ることにつながる危険性もあります。

 

【問題4】顎の骨が痩せて減少する

歯が抜けると、その部分の顎の骨が次第に痩せ細っていくことがあります。
歯がなくなるとその部分の骨に刺激がなくなり、骨が吸収されてしまうためです。
骨が痩せるとお顔の輪郭が変化し、口元が老けた印象になることがあります。

 

【問題5】認知症のリスクが高くなる


東北大学の研究で、歯の本数と認知症を発症するリスクに関係性があることがわかりました。
人の歯の本数は、親知らずの有無によって異なりますが、一般的に28〜32本です。
歯が抜けて、歯の本数が19本以下になると、認知症発症のリスクが1.12倍、歯がない人では1.20倍高くなることが報告されています。
歯の喪失が認知症のリスクを上昇させることが明らかになったのです。

 


参照:東北大学プレリリース「歯の喪失・咀嚼困難・口腔乾燥があると認知症のリスクが10~20%高くなる」 >

 

 

大人の歯が抜けることを予防する対策

大人の方が、歯が抜けることを予防するためにできることを紹介します。

 

【対策1】定期的な歯科検診とクリーニング


むし歯や歯周病は、初期段階では自覚症状がないことがほとんどです。
ご自身では気づかないむし歯や歯周病でも、歯科の定期検診で発見することが可能です。
また、歯科医院で行うプロフェッショナルなクリーニングで、歯ブラシでは除去できない汚れを定期的に取り除き、歯ぐきや歯を健康に保つことをおすすめします。

 

【対策2】適切なブラッシング

お口のケアの基本は毎日の歯磨きです。
適切なブラッシング方法を身につけ、日々のケアに取り入れるようにしましょう。
ブラッシングのポイントは、

・歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間にしっかり当てる
・歯ブラシの毛先が広がらない程度の弱い力で、歯磨きを小刻みに動かす

などです。
歯周病などで歯ぐきが弱っている方は、やわらかい毛先の歯ブラシを使ってやさしく丁寧に磨いてください。

 

【対策3】かみ合わせの改善

歯ぎしりや食いしばり、かみ合わせの問題があると、特定の歯に過度の負担がかかり、その歯が徐々に損傷し、最終的には抜ける原因になることがあります。
歯科では、かみ合わせの調整を行って歯にかかる負担を軽減することができます。

 

【対策4】健康的な生活習慣


バランスの取れた食事や適度な運動は、歯や歯を支える骨の健康を保つために重要な生活習慣です。
禁煙も歯周病のリスクを減らす効果があるため、たばこを吸われている方は1日の本数を減らしていくなど、健康的な毎日を送ることを意識するようにしましょう。

 

 

いつまでもしっかり噛める健康な歯を!お口の予防ケアは「すみのえ駅前歯科」まで


大人の歯が抜ける原因はむし歯や歯周病などです。
令和4年(2022年)に行われた調査では、55~64歳で平均3本、65~74歳では平均6本の歯を失っています。

 


参照:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要 」p15 表13.1人平均喪失歯数(永久歯:15歳以上) >

 

「年を取ったら歯は抜けるもの」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、むし歯や歯周病は、適切なケアで予防することが可能です。
日々のケアや定期的な歯科検診を受診し、いつまでもしっかり噛める健康な歯を守りましょう。

 

南海本線「住ノ江駅」ビル直結の歯医者【すみのえ駅前歯科】では、むし歯や歯周病の予防・治療に力を入れています。
「できるだけ患者さまご自身の歯を残す」「歯を削り過ぎない」をモットーに、痛みを抑えた治療を行いますので、お口の予防や治療のことならお気軽にご相談ください。
また、当院は歯が抜けてしまった方への入れ歯やインプラントなどの義歯も複数ご用意しています。
患者さまお一人お一人に合った治療法を複数の中からご提案しますので、歯を失ってしまった方も当院までご来院ください。


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